30 May

正しい中性浮力とコントロール ②

今回は、その2。中性浮力について考えます。
前回にも言ったとおり、自転車に置き換えると…
中性浮力を取り方 ⇒ ハンドルの操作方法
自転車でも手放し運転することもできるけど、その分バランスやペダル操作に注意しなきゃいけないし、事故を起こす危険性が増しすことは、容易に想像できますよね。
中性浮力も同じでとらなくてもダイビングできてしまうんです。でもその分、呼吸とキックに負荷がかかるわけです。
事故を起こす危険性も減圧症になる危険性も増してしまうので、正しい中性浮力を身に着けるようにしましょう。
中性浮力をとるようになると以下のことができるようになります。
・ 呼吸が楽になる。
・ 体を動かさずに中水層に浮けるようになる。
・ 空気の消費量が減る
・ 生き物や見たいものにより近づけるようになる
・ いい写真が撮れるようになる
などなど、良いこといっぱい
中性浮力を見極めるための考察トピックは、こちらです。
・ 中性浮力とは?
・ 適正ウエイト
・ ダイビング中の浮力変化
・ ダイブプラン

中性浮力とは、どのような状態か?

 前回のブログの最後に書いた通り中性浮力とは、
深く行けば行くほど圧力の影響でウェットスーツの浮力が失われます。その分の浮力を浮力調整器具(BCD)で補った状態が、中性浮力です。
簡単に言うとこういうことです。
浮力 - 重さ = ゼロ(中性浮力)
浮力 : 体の浮力と浮力の影響を受ける器材(ウェットスーツなど)とBCDを使って補う浮力
重さ : 使っている器材とシリンダーの水中での重さを考慮したウェイト量
 深度を維持するコントロール方法はあくまでも肺の浮力。深度が維持できるように呼吸コントロールします。ストレスのない楽な呼吸を続けられるようにBCDの浮力を調整しましょう。
※注意 : 水中に浮いているときに足が動いている人は、動かさなくても深度を維持できるようにBCDに空気を入れて浮力に助けてもらいましょう。
 
適正ウェイト
 適正ウェイトとは、水面でBCDの浮力がない時に中性浮力になるよう調整したウェイト量です。
つまり、浮力の影響を大きく受けるウェットスーツを使っていれば、その分多くウェイトが必要になります。
例えば: ウェットスーツの浮力が5kgで、海水の中で器材とシリンダーの重さが3kgある場合
5kg - (3kg+適正ウェイト量) = 適正ウェイト(中性浮力)
適正ウェイト量 = 2kg
ここに、体の浮力を考慮に加えて適正ウェイトです。
体の大きさによって浮力には、個人差がありますので確認してみて下さい。
※注意 : 必要なウェイト量よりも重ければ重いほど、BCDで浮力を補うための空気量が増えます。空気の体積は、水圧に対して反比例しますので、深度変化に伴いBCDの浮力変化も大きくなり、よりこまめにBCDの浮力をコントロールすることが必要になります。
ダイビング中の浮力変化
深度における浮力変化
ウェットスーツには、空気が多く含まれています。このため浅場ではより浮力が増し、深場では失われます。
例えば: ウェットスーツの浮力が5kgで水深30mで潜ると圧力は、水面の4倍なのでウェットスーツの浮力は、1.25kgになります。適正ウェイトと器材の重みを5kgとするとこれだけマイナス浮力(重くなる)になります。
5kg ÷ 4気圧 - 5kg = -3.75kg
空気を吸うことによる浮力変化
深度による浮力変化と空気の使用量にともなう浮力変化
シリンダー内空気の使用量に伴う浮力変化も考慮しましょう。
空気1Lの重さは、約1.29gです。
シリンダーサイズ11Lに200気圧充てんされていれば空気量は、
11 × 200 = 2200L
シリンダー内の空気の重さは、
2200 × 1.29 = 2.838kg
シリンダーの空気をカラになるまで吸いきるのであれば、これだけ浮力変化が起きるのです。
50気圧残してダイビングを終える場合なら、約2.1kg。100気圧なら、約1.4kg。
 ダイビング終盤に増す浮力分をウェイト量に加えるようにしましょう。
※注意 : 重いほうがダイビングしやすいという人がいますが、潜行速度も速くなり、マイナス浮力でダイビングする癖がついてしまっています。潜行速度が速いと、中性浮力を見つけるのが難しくなります。呼吸で浮力を確認しながらBCDの浮力を調節し、ゆっくりせんこうすることをこころがけましょう。
ダイブプラン
 これまで説明した中性浮力とウェイト量の決め方ですが、ダイブプラン次第で少し重めにする方がよい時があります。
・ 水温や運動量により呼吸が荒れる可能性がある場合
・ 早い流れのドリフトダイブで、早く水底付近まで潜行したい場合
・ 経験の少ないダイバーをアシストする場合
ここまで考えてダイビングできるようになれば、どこでも安全にダイビングができる人だと思います。
現地情報が、大切になるのでウェイト量を決める前に確認しておきましょう。
 また、ワンランク上のダイブプランを立てる必要があるドリフトダイブに興味があれば、連絡下さい。PADIのドリフトダイバー・スペシャルティコースは、1日2本のダイビングで取得することができます。
中性浮力を取るのに便利なお勧め器材
 やはりBCDがおすすめです。
 自分の好きなダイビングに合わせて好みのBCDで潜ると水中での姿勢がとりやすくなります。
いろんなタイプのBCDがあるのでどんなダイビングが好きか、ショップの人と相談するといいかもです。
 体に合ったホールド性の高いBCDを試着して見つけましょう。
「ちょっと大きいけど、ウェットスーツ着れば、ちょうどいい」
というのは、あまりに不確かです。
しっかりとベルトを調節して、オーラルで空気を入れてみて、水面に浮いている時のことを想定して、BCDが体上部にずり上がらないか確認してみましょう。

今日は、中性浮力にするために考慮する重要なポイントについてお話をしました。

次回ダイビングに参加するときまでに、イメージトレーニングをして、当日のダイビングで潜行速度をコントロールできるように中性浮力を探してみてください。

また、ワンランク上のダイビングの知識を付けるために、

ドリフトダイバー・スペシャルティコース

を受けてみると、新しいことに気が付けると思いますよ。

その時は、新しいBCDを使ってルンルンで楽しんじゃいましょう!

 

 

 

次回は、最後にフィンキックです。

 

つづく

Related Posts

Post A Comment