28 Jun

トランベンは潜る価値あり?バリの隠れた水中宝石を探る

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バリ島といえば、豊かな文化、緑あふれる自然、美しいビーチで有名ですが、その海の下にはまだあまり知られていない素晴らしい世界が広がっています。それが、バリ島北東部に位置する**トランベン(Tulamben)**です。

トランベンは、今やバリ島を代表するスキューバダイビングの聖地。初心者からベテランダイバーまで楽しめるスポットが充実しており、ここでしか味わえない特別な体験が待っています。

今回は、トランベンがなぜダイビングにおすすめなのか、そして訪れるべき代表的なダイビングポイントをご紹介します。


■ なぜトランベンで潜るべき?

トランベンは、アクセスの良さ・生物多様性・歴史的な背景の三拍子がそろった、ダイバーにとって理想的な場所です。
その魅力をいくつか挙げると:

  • アイコニックな沈没船「USATリバティ号」がある

  • 一年を通して穏やかな海と抜群の透明度

  • 豊富な海洋生物との出会い

  • 初心者から上級者まで楽しめるスポットが豊富

  • ほとんどのダイビングポイントがビーチエントリーでボート不要


■ トランベンでのベストシーズン

トランベンでのダイビングに最適なシーズンは、乾季(4月〜11月)。この時期は透明度が高く、視界は15〜30メートルにも達します。水温も27〜30°Cと快適で、薄手のスーツでも十分です。

Tulamben


■ トランベンの代表的なダイブスポット

● USATリバティ沈没船(USAT Liberty Shipwreck)

トランベンのシンボルとも言えるこの沈没船は、第二次世界大戦中に日本の潜水艦によって魚雷攻撃を受けた貨物船。岸からすぐの水深5〜30メートルの範囲に横たわっており、シュノーケラーでも浅瀬を楽しむことができます。
長さ約120メートルの船体は、今では人工リーフとして再生し、ブンプヘッドパロットフィッシュ、ギンガメアジ、ウミウシ、カラフルなサンゴたちが生息しています。

● コーラルガーデン(Coral Garden)

USATリバティのすぐ近く、水深2〜12メートルの場所にあるこのスポットは、マクロ派フォトグラファーに大人気。リボンイール、クマノミ、イソギンチャク、時にはサメも見られます。人工リーフも設置されており、生物層が非常に豊かです。

● ドロップオフ(Tulamben Wall)

アグン山のふもと、水深5〜25メートルに広がる垂直の岩壁が魅力のスポット。ソフトコーラルやスポンジで覆われたこの場所は、中〜上級者向け。
バラクーダ、リーフシャーク、運が良ければイーグルレイも出現します。

● セラヤ・シークレット(Seraya Secrets)

マクロ撮影の宝庫といえばこの場所。水深5〜25メートルの黒砂底には、ミミックオクトパス、ゴーストパイプフィッシュ、カエルアンコウなど、珍しい生物が潜んでいます。特に“泥地系”の生き物が好きな方におすすめ。

● バトゥ・クレビット(Batu Kelebit)

ボートでアクセスするこのポイントは、水深20〜40メートルの深場に位置し、2つの深いリーフリッジが特徴。健康的なサンゴ群と大きな魚群が見どころですが、潮流が強く、上級者向けのスポットです。


■ トランベンで見られる主な海洋生物Turtle-and-diver

● ウミガメ(アオウミガメ/タイマイ)

アオウミガメはサンゴの上で休んだり、海草を食べている姿がよく見られます。おとなしく人に慣れている個体も多いです。タイマイはやや小型で、スポンジを好んで食べます。

● 季節によって現れるマンタ

クリーニングステーションやプランクトンの多い時期に姿を見せることがあり、最大7メートルもの翼長を持つ優雅な姿は、まさに圧巻。

● リーフシャーク(ブラックチップ/ホワイトチップ)

ブラックチップシャークは素早い泳ぎで知られ、ドロップオフでよく見られます。一方、ホワイトチップシャークは日中は岩陰で休む姿が多く、どちらも人に対しては基本的に無害です。

● ウツボ(Moray Eels)

大きな口を開け閉めしている様子が特徴的ですが、これは呼吸のため。トランベンでは3メートルにもなる巨大ウツボも見られます。

● ウミウシ(Nudibranchs)

“海の宝石”とも言われるウミウシ。色や模様が多彩で、フラベリナ属、クロモドリス属、ドーリッド系など、多くの種が観察できます。

● ゴーストパイプフィッシュ

ウミシダやサンゴの中に紛れているカモフラージュの名手。見つけるのは難しいですが、ロブスト、オルネイト、ハリメダなどの種が確認されています。

● チンアナゴ(Garden Eels)

砂地に群れで生息しており、近づくとスッと引っ込みます。遠くから静かに観察するのがコツ。

● ミミックオクトパス&ワンダーパス

ミミックオクトパスはライオンフィッシュやヒラメの姿に擬態することで身を守ります。セラヤ・シークレットでよく見られます。ワンダーパスは白と赤褐色のストライプが特徴で、撮影対象として人気。

● バンプヘッドパロットフィッシュ(カンムリブダイ)

最大1.5メートルの群れを作るこの魚は、早朝のUSATリバティ付近で活動的です。硬いサンゴをバリバリ食べる音が聞こえることも。

● フリソデエビ&ピグミーシーホース

フリソデエビはヒトデを餌にする、非常にレアで美しいエビ。通常はペアで見られます。ピグミーシーホースは2cm以下の超小型。ウミウチワに擬態しているため発見には熟練の目が必要です。


トランベンは、美しいだけでなく奥深いバリの海の魅力を存分に味わえる場所。ビギナーでも安心して楽しめるスポットから、マニアも唸るマクロ系、そして歴史的な沈船まで、すべてが揃っています。

次のバリ旅行では、ぜひトランベンでのダイビングを体験してみてください。

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